AIに仕事を奪われる?最近、AIに関するニュースが話題です。AIとの未来を期待したり、不安視したり、その論調はさまざまです。AI普及が進むことで、私たちの生活や仕事に大きな変化が訪れる可能性があります。これは、強いAIと呼ばれるAGIの普及が、現実味を帯びたことが要因です。強いAI「AGI」とはAGIとはArtificial General Intelligenceの頭文字を取った言葉で、「汎用人工知能」と和訳されます。AIは「強いAI/汎用型AI」と「弱いAI/特化型AI」に大別でき、AGIは前者です。特化型AIは、チャットボットや将棋ゲームなど、用途が限定されたAIです。データに基づく学習が必要で、学習していないことには対処できません。一方、汎用型AI(AGI)は。自己学習を行います。人間と同じように感情や状況を理解し、学習外のことにも対処できるため、さまざまな分野で汎用的に利用できます。 AIの発展は加速の一途AGIはまだ世の中に存在していませんが、ChatGPTの登場により、AGIの実現が現実味を帯びたと言われています。ChatGPTのアクティブユーザー数は、公開からわずか2か月で1億人に達しました。2023年3月にはAPIが公開され、様々な企業でChatGPTを活用したサービスの提供が開始されています。Google社も2023年3月にBardを公開。同12月には次世代モデルのGeminiを公開し、世界を驚かせました。AIの利用浸透や技術発展は、今後も加速していくでしょう。今後、社会で起きることITの需要拡大AIの急速な発展に伴い、さまざまな分野でITがより広く活用されるようになります。ITの需要と重要性が増加します。教育の変化ITの重要性が増すにつれ、ITを学習する必要性も高まります。日本ではIT人材不足の予測もあり、今後、学生のIT教育や、社会人のIT学習機会は増加するでしょう。IT人材の増加学習機会の増加に伴い、学習方法の効率化が進み、学ぶハードルが下がります。IT学習人口は、ますます増えると予想できます。学習人口が増えることで当然、ITの知識を持つ人材も増加するでしょう。ITエンジニアの身に起こることこのような社会の変化は、ITエンジニアに大きな変化をもたらします。非エンジニアとの境界線が薄まるIT人材の増加により、ITエンジニアと非エンジニアの境界線があいまいになります。単に「ITを知っている・使える」だけでは市場価値が低下するため、他の付加価値を身に着けることが重要になります。 技術の淘汰が加速するITエンジニアは、常にスキルの断捨離が求められます。技術はナマモノです。日々新しい技術が生まれる中で、古くなり使われなくなった技術も存在します。ITエンジニアは「使われ続ける価値のある技術」と「不要な技術」を見極め、定期的にスキルの断捨離を行います。今後、一つの技術を獲得し、活用し、捨てるまでのサイクルが、ますます短くなると予想されます。コードを書かなくなるAIによるコード生成の進化により、プログラミングの必要性が低下します。AIが生成したコードは、誤りが少ないだけでなく、生成速度も非常に高速です。人間が活用しない手は無いほど、生産性が飛躍的に向上します。近い将来、プログラミング業務はAIに取って代わる可能性が高いでしょう。変化に対応するためにできることそれでは今後、ITエンジニアとして市場価値を高めるためには、どのような力が必要でしょうか。変化を恐れず、取り入れる力大前提として、変化に適応する力は必須と言えます。前述したコード生成をはじめ、エンジニアの仕事を効率化する技術が日々生まれています。そのような中で現状に固執してしまうと、相対的なコストパフォーマンスが悪くなり、需要は減る一方です。新たな技術やアイデアを積極的に取り入れ、柔軟な姿勢を持つことが求められます。AIを活用する「設計・検証」能力AIがコードを生成する時代、人間の役割は、AIに正しいコード生成を指示することです。そのためには、設計能力と言語能力が求めれれます。また、AIが生成したコードを検証する力も必要です。エンジニア以外のビジネススキルや経験非エンジニアとの境界線が薄まっていく今後、IT以外の得意分野を持つことは、大きな付加価値になります。特に他の業界の知識やビジネススキルは、後述する上流工程を行うのに役立ちます。上流工程のスキル上流工程をこなせるスキルも重要です。要件分析や要件定義、基本設計などでは、高いソフトスキルが求められます。これらを磨くことで、自身の価値を高めることができます。まとめ本日は、ITエンジニアに求められる役割やスキルについてご紹介しました。IT業界にお勤めの方や、ITエンジニアを目指している方の参考になれば幸いです。AIがどんなに発展したとしても、「新しい情報を獲得し、取り入れる」のは人間の役割です。私たちはITエンジニアとして、また変革期を生き抜く仲間として、今後も最新技術に自ら触れ、取捨選択していきましょう。