ITの知識がなくても業務システムやモバイルアプリを制作できる「ノーコード開発」。国内企業での利活用がここ1、2年でますます活性化されているように思われます。本日は、自社でノーコードを取り入れたいけど「各社の違いを知りたい」「どれが自社に合うか分からない」という方へ、厳選した6つのツールについて、それぞれの特徴とおすすめケースをご紹介します。まず「ノーコードとは?」からお読みになりたい方へは、こちらの記事をおすすめいたします。DXの鍵「ノーコード開発」なぜ注目されるのか?あなたに合った選び方はこちら「全部読んでいる時間がない」という方は、まずは以下の選び方チャートをご覧になって、自社に合いそうなサービスだけを読んでみるのもおすすめです。1. Bubble(バブル)ここからは各ツールの特徴をご紹介します。Bubble(バブル)は、Bubble Group, incが提供するノーコード開発プラットフォームです。ユーザー数は約400万人、Bubbleで構築されたアプリ数は300万個を超えます。ノーコードの代名詞とも言われており、ロレアル社やHP(ヒューレット・パッカード)社、HubSpot社など、世界の名だたる企業でも導入されています。▼料金体系・課金単位:アプリ・無料プラン:あり(テスト開発のみ可能)・月額費用:29USD~・開発可能なユーザー数:1~5(プランによる)・利用可能なユーザー数:制限なし・開発可能なアプリ数:制限なし(アプリ数による課金のため)・データ容量:50GB~1TB(プランによる)差別化ポイント:圧倒的に自由度の高いカスタマイズ性Bubbleの強みは、数あるノーコードプラットフォームの中でもトップクラスに柔軟な開発ができる点にあります。▼豊富なプラグイン(拡張機能)豊富な拡張機能や外部サービスへの連携機能があり、柔軟で拡張性の高いアプリが開発可能です。Webサービスや各種WEBサイト、EC、業務システムなど、さまざまな用途に適した開発が可能です。▼デザインパーツも豊富パーツの選択肢やデザインテンプレートが豊富で、色や大きさ、フォントなども細かく設定できるため、作りたいアプリをイメージ通りに開発することができます。▼レスポンシブの機能が使いやすいノーコードツールに比べレイアウトの自由度が高く、各種デバイス(PC・タブレット・スマートフォン)に対応。効率的なサイト構築ができる点も特徴です。▼安定した運用が可能さらに、料金プランに応じてサーバーキャパシティを増減できるため、システムの利用者が増えた場合でも安定したサービス提供を行える環境が整っています。注意点Bubbleで気をつけたいことをご紹介します。▼使いこなすには専門知識が必要自由度が高い反面、全てを使いこなすための学習に時間を要します。また、システム設計やプログラミングに関する技術が必要な部分が一部あり、ソフトウェア開発者としての知見が全くない方にとっては難しさを感じるでしょう。▼日本語に対応していない作業画面やマニュアルなどはすべて英語表記となります。一方、Bubbleは利用者が多いため日本語の情報サイトも多く、少し検索すれば基本的な知識が手に入ります。こんな方におすすめBubbleのおすすめシーンをご紹介します。▼こんな方におすすめ・高度なWEBアプリケーションやデザイン性の高いランディングページなどを短期間・低コストで作成したい方・外部サービスとの連携など、高度なWEBサービスを開発したい方・ソフトウェア開発者として一定の知識をお持ちの方。もしくは知識のある人をプロジェクトに巻き込める方・英語への抵抗が少ない方。またはマニュアルが無くてもインターネットで検索して情報を見つけるのが苦ではない方2. AppSheet(アップシート)AppSheet(アップシート)は、Google LLCが提供するノーコード開発プラットフォームです。AppSheetで構築されたアプリは470万個以上を誇り、パーソルキャリア社や社LIXIL社、TBS社など、国内大手企業でも活用が進んでいます。自社グループウェアとしてGoogle Workspaceを導入している方は、追加費用なくAppSheetを利用できる可能性がありますので、試しに利用してみると良いでしょう。▼料金体系・課金単位:ユーザー・無料プラン:あり(1つのアプリを10ユーザーまで共有可能)・月額費用:5USD~/ユーザー・開発可能なユーザー数:制限なし(ユーザー数による課金のため)・利用可能なユーザー数:制限なし(ユーザー数による課金のため)・開発可能なアプリ数:制限なし・データベース上限:5~200個(プランによる)差別化ポイント:既存のスプレッドシートやExcel業務をすぐに効率化できる自社でExcelやGoogleスプレッドシートを用いて管理している業務があるなら、AppSheetで簡単に自動化することができます。▼データベースを簡単に作成できるスプレッドシートやExcelをデータベースとして、アプリを構築することができるため、初心者でも構築しやすいのが特徴です。▼テンプレートやパーツが豊富シフト管理・注文管理・申請決済・経費管理・施設管理など、すぐに使えるテンプレートが豊富に用意されています。テンプレートを用いずに構築する場合でも、一覧表示や詳細表示、カレンダーやグラフなどパーツが豊富にあるため、業務に最適な画面設計を短期間で行うことができます。▼オフラインでも利用可能オフライン機能を備えており、インターネットが利用しづらい山間部などでの業務も、通信なしで利用することができます。注意点AppSheetで気をつけたいことをご紹介します。▼日本語に対応していない作業画面やマニュアルなどはすべて英語表記となるため、国産のノーコードツールと比較して難しさを感じる側面があります。▼UIの自由度が低い※UI(ユーザーインターフェース):サイトやアプリの見た目や使いやすさのことテンプレートが豊富にある反面、ボタンの配置やグラフのレイアウトなどが固定されいるため、UIの自由度は低いと言えます。こんな方におすすめAppSheetのおすすめシーンをご紹介します。▼こんな方におすすめ・Google Workspaceを導入している方・社内の業務改善・効率化の第一歩としてノーコード活用に挑戦したい方・エクセルやGoogleスプレッドシートで管理している既存の業務を、短期間でアプリ化したい方・オフラインでも利用したい方・英語への抵抗が少ない方3. Adalo(アダロ)Adalo(アダロ)は、Adalo, Inc.が提供するノーコード開発プラットフォームです。ユーザー数200万人以上、構築されたアプリ数100万個以上となっており、ネイティブアプリ(※)を爆速で開発できるツールとして人気です。「Adalo アプリ例」で検索すると多数の事例が出てくるため、活用イメージをしやすいでしょう。※ネイティブアプリ:App StoreやGoogle Playなどのアプリストア経由でインストールして利用する、スマートフォンやタブレット向けアプリのこと。モバイルアプリとも呼ばれる。▼料金体系・課金単位:ライセンス・無料プラン:あり(モバイルアプリ開発は対象外)・月額費用:36USD~・開発可能なユーザー数:1~無制限(プランによる)・利用可能なユーザー数:制限なし(プランによって操作回数に制限あり)・開発可能なアプリ数:1~10(プランによる)・データ容量:50~500GB/チーム(プランによる)差別化ポイント:スマホ用アプリをスピーディーに開発できるAdaloなら、ネイティブアプリをスピーディーに開発することができます。▼ネイティブアプリを爆速で開発可能Adaloで開発したアプリは、iOSとAndroidのどちらにも対応しているため、個別の開発や調整が不要です。また、スマホサイズによるレイアウト調整が不要なため、高い開発効率を維持できますす。▼ネイティブアプリならではのメリットを享受できるプッシュ通知やGPSの位置情報、カメラ機能など、デバイス特有の機能を利用できるのはネイティブアプリならではのメリットです。▼UIに一定の自由度ありデザインやレイアウト調整を簡単な手順で行うことができるため、テンプレート感のない、ユニークなアプリを構築することができます。注意点Adaloで気をつけたいことをご紹介します。▼不向きな用途がある「音を出せない」や「ゲームを開発できない」といった特徴があるので、作りたいアプリによっては不向きな場合があります。▼日本語に対応していない作業画面やマニュアルなどはすべて英語表記となるため、詳細まで理解するには、英語の知識が必要になります。こんな方におすすめAdaloのおすすめシーンをご紹介します。▼こんな方におすすめ・ネイティブアプリを簡単に・短期間で開発したい方・MVP開発によりスピーディーに効果検証を行いたい方(まずは最低限の機能を揃えたアプリをリリースし、市場の反応を見たい方)・英語への抵抗が少ない方4. Kintone(キントーン)Kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供するノーコード開発プラットフォームです。チームの業務改善に特化したツールであり、星野リゾート社やサイバーエージェント社、三菱重工社など、3万社もの企業がkintoneを活用しています。▼料金体系・課金単位:ユーザー(最小契約単位は5ユーザー)・お試し期間:あり(30日間)・月額費用:780円~・開発可能なユーザー数:制限なし・利用可能なユーザー数:5~無制限(ユーザー数による課金のため)・開発可能なアプリ数:200~1,000(プランによる)・データ容量:5GB×ユーザー数差別化ポイント:チームの生産性やコラボレーション活性化を重視した仕様Kintoneでは、長年企業のコミュニケーション活性化を支えてきたサイボウズ社ならではの工夫がされています。▼アプリ内で活発なコミュニケーションが可能コメント機能やリアクション機能が搭載されています。コミュニケーション画面とデータ画面を一つ画面で表示できるため、データを見ながら意見交換をアプリ上で行うなど、チームで活用できる仕組みが備わっています。▼国産ツールならではの使いやすさ日本の企業が開発した、国産ツールならではの使い勝手の良さがあります。公式サイトでは業種別・部署別の導入事例や活用アイデアが豊富に紹介れているため、自社での利用イメージがしやすいでしょう。▼拡張機能も豊富パートナー企業による拡張機能が豊富に揃っているため、幅広い用途に対応可能です。注意点Kintoneで気をつけたいことをご紹介します。▼拡張機能が有料外部システムとの連携といった拡張機能ごとに料金が加算される設定になっています。使い方によっては高額な費用が発生する場合があります。▼データ容量は少なめ他社と比べて付与されるデータ容量やが少ないため、使い方によってはデータの追加購入が必要です。(10GBあたり1,000円/月で追加可能)こんな方におすすめKintoneのおすすめシーンをご紹介します。▼こんな方におすすめ・国産ツールで社内の業務改善・効率化に特化したものを探している方・アプリ内で積極的にコミュニケーションを取りたい方(グループウェアのような活用を行いたい方)・数多くのアプリ開発や大規模なアプリを開発したい方5. サスケworks(サスケワークス)サスケworks(サスケワークス)は、株式会社インターパークが提供するノーコード開発プラットフォームです。DX研究所やスポーツハウス社、佐世保市北部商工会など、1,000以上の幅広い企業・団体で活用されています。▼料金体系・課金単位:ライセンス・お試し期間:あり(30日間)・月額費用:5,000円~・開発可能なユーザー数:1(オプションで追加可能)・利用可能なユーザー数:10(オプションで追加可能)・開発可能なアプリ数:100~200(プランによる)・データ容量:15GB(オプションで追加可能)差別化ポイント:もはやドラッグ&ドロップさえ不要!AIがアプリを開発してくれる注目したいのは2023年11月にリリースされた「AIによるアプリ自動生成機能」です。▼AIによるアプリ開発一般的なノーコード開発プラットフォームでは、あらかじめ用意されたパーツをドラッグ&ドロップで組み合わせることでアプリを構築していきます。サスケworksでは上記に加えて、AIによるアプリ自動生成機能が用意されてます。アプリ名とアプリの概要を入力するだけで、欲しいアプリをAIが1~2分で開発してくれる画期的な機能です。▼独自のアプリストアで販売・購入が可能サスケworksには独自のアプリストアがあり、ストア内では、さまざまなアプリが販売されています。入手無料のものも多く、ダウンロードするだけで、すぐに自社の業務改善を行うことができます。また自社で構築したアプリを、ストア内で有料で販売することも可能です。注意点サスケworksで気をつけたいことをご紹介します。▼データ容量・ユーザー数は少なめ付与されるデータ容量や利用可能ユーザー数が少ないため、大規模な活用を予定している方はオプションの購入が必要です。(データ容量:10GBあたり1,000円/月で追加可能、ユーザー数:1IDあたり500円/月で追加可能)こんな方におすすめサスケworksのおすすめシーンをご紹介します。▼こんな方におすすめ・国産ツールで、社内の業務改善・効率化に特化したものを探している方・低価格で、使用者のパソコンスキルに左右されないツールを希望する方・開発したいアプリが少ないなど、中~小規模での利用を予定している方・自社で開発した業務アプリを販売したい方6. Platio(プラティオ)Platio(プラティオ)は、アステリア株式会社が提供するノーコード開発プラットフォームです。京セラ社や松屋社、島津製作所社など、幅広い規模の企業・団体で活用されています。▼料金体系・課金単位:ライセンス・お試し期間:あり(7日間)・月額費用:20,000円~・開発可能なユーザー数:10(オプションで追加可能)・利用可能なユーザー数:10~1,000(プランによる)・開発可能なアプリ数:200(全プラン共通)・データ容量:10GB~3TB(オプションで追加可能)差別化ポイント:モバイル利用に特化したアプリ開発ができるPlatioの差別化ポイントをご紹介します。▼現場で使える豊富なテンプレート例えば工場での日報管理や棚卸、配送報告、車両管理など、さまざまな現場ですぐに利用できるテンプレートが100種類以上揃っています。▼スマホ・タブレット利用に最適な仕様Platioはモバイル利用に特化しているため、スマートフォンやタブレットで利用しやすいUIが特徴です。またオフラインでも利用できるため、電波の入りにくい施設内や移動先でも利用できる仕様になっています。▼ネイティブアプリならではのメリットを享受できるカメラ機能や手書きの画像、位置情報など、モバイルデバイス特有の機能を利用した業務アプリを導入できます。注意点Platioで気をつけたいことをご紹介します。▼カスタマイズ自由度は低いテンプレートが豊富にある反面、デザインやレイアウトのカスタマイズ自由度が低い仕様となっています。▼PCでの操作が多い場合は不向きPlatioはモバイル利用に特化しているため、PCでの利用が中心になる場合や、PCでの作業量が多い場合は使いづらさを感じる場合があるでしょう。こんな方におすすめPlatioのおすすめシーンをご紹介します。▼こんな方におすすめ・スマホ利用がメインの業務アプリをスピーディーに導入したい方・工場や店舗、施設など、現場での作業を効率化したい方・営業職など、外出先での利用が多い方まとめ・各ツールの比較表プレゼント!自社に合ったツールを選ぼう本日は6つのノーコード開発プラットフォームをご紹介しました。今後の導入検討の参考になれば幸いです。それぞれ強みや料金体系が異なりますので、自社の用途や利用規模に合ったツールを選択しましょう。【完全無料】各ツールの比較表をプレゼント!6つのツールに関して料金体系や機能、セキュリティ面などを比較した資料をご用意しております。自社に合ったツール選定にぜひご活用ください。資料はこちらからダウンロードいただけます。DXも!新規事業立ち上げも!爆速で叶うYNSのノーコード開発弊社YNSでは、お客様に最適なノーコードツールの選定からアプリ設計・開発、利用浸透支援などを承っております。開発にあたっては、必要に応じてコードを書くスクラッチ開発を併用することで、ノーコードだけでは対応出来ない複雑な機能の実装も行っております。お客様のご要望に応じた「かゆいところに手が届く」アプリをご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。ノーコード開発特設サイトはこちら