近年、SaaSという言葉が広く使われるようになったのと同時に、「導入したけどうまく使いこなせない…」といったお悩みも耳にするようになりました。SaaSとは、インターネット経由で利用できるソフトウェアのことSaaS(サース/サーズ)とは、「Software as a Service」の略で、直訳すると「サービスとしてのソフトウェア」を意味します。例えばメールを送受信したいとき、SaaSが台頭するまでは、ソフトウェアを購入しPC1台1台にインストールする必要がありました。一方SaaSではインストール不要、必要な機能を必要なときに、インターネットを経由して利用することができます。▼SaaSの具体例・GmailやDropboxなどのビジネスツール・Salesforce社やSansan社の顧客管理ツール(CRM)・ZoomやSlackなどのコミュニケーションツール・KintoneやYappliなどのノーコード開発プラットフォームSaaSが使いこなせない…あらゆるビジネスシーンにおいてSaaSの利用が増えている中、「導入したけどうまく使いこなせない」と頭をかかえている方がいらっしゃいます。原因①機能が多すぎる使いこなせないのではなく、必要以上の機能が備わっているだけかもしれません。ハイスペックなSaaSは、当然利用コストも高くなります。原因②業務フローに合っていない自社の業務フローに適したSaaSを導入したいところですが、「社内事情に合うものが見つからない」などの理由から、業務をSaaSに合わせて運用している場合がありです。企業は「せっかく導入したから、どうにか使いたい」と半ば無理やり利用しますが、足りない部分をエクセルで補うなど、効率化が進みません。カスタマイズしたくても、できる範囲に制約があり、求めているフローを実現できなかったり、費用が高額のため踏み切れない、といった話もよく耳にします。原因③既存のシステムと連携していない▼既存システムと連携していない理由・互換性がないので、そもそも連携できない。・連携できるけど、SaaS側・導入企業側双方で対応できる人員がいない。・連携できるけど、開発費用が高額。上記のような事情から、社内の既存システムと連携していない場合があります。そのために手作業や二度手間が発生し、煩雑さを感じている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。SaaS選定時のあるあるここまで、SaaSを使いこなせない原因をご紹介しました。では、使いづらいSaaSを選んでしまう原因は、どこにあるのでしょうか。あるある①トップダウンで導入が決まる決裁者が意欲的に「あれもこれもできていいね!」と機能豊富なSaaSを選んだ結果、オーバースペックなものが導入される場合です。あるある②知名度で導入が決まるいざSaaSを選ぼうとするとき、似たようなものがたくさんあり、どれを選べばいいか分からなくなります。また、一度導入すると短くとも1年以上は利用することから、決裁者や担当者に「失敗したくない」という心理が働きます。そして、自社の業務に合うかの検討が不十分なまま、知名度で選んでしまう場合があります。あるある③活用方法が不明確なまま、導入が決まる「なんか流行っているから」「競合他社も導入しているから」と、導入が目的化してしまう場合です。あるある④運用体制が整わないまま、導入が決まる運用体制や社内浸透施策が整備されないまま導入した結果、利用が定着せず、もとのエクセル管理に戻ってしまうことが多々起こります。他にも、担当者の多忙が原因の場合があります。ある日、上長から「来月から新しいSaaSを導入するから、あとはよろしく」と告げられた担当者は、上長の意を汲み、とりあえず利用しはじめます。しかし、忙しいので利用が“とりあえず”に留まり、十分な効果を発揮できない状態が続きます。本当にSaaSで解決する?委託開発という選択肢ここまで、SaaS導入時でつまずいてしまう例をご紹介しました。これから導入をお考えの方も、既に導入されていて見直しをお考えの方も、以下の検討材料を持つとよいかもしれません。・経営陣・現場それぞれの視点から、導入により達成したいことは何か?・自社の業務上、求める機能は何か?・導入後の運用体制や社内浸透方針は整っているか?・費用対効果が得られるか?検討を進める中で、「自社に合うSaaSが無い」と感じる方もいらっしゃるでしょう。既存のSaaSでは大がかりなカスタマイズが必要になりそうな場合、オーダーメイドでソフトウェアを委託開発したほうが、トータルコストを低く抑えられる場合があります。自社の業務に最大限フィットするソフトウェアを運用して、活用を最大化したいですね。